1日5分!子供へのイライラが減る。親子の信頼関係を強化するPCIT(親子相互交流療法)の即効性にビックリした
今年の1月から、PCITという親子相互交流療法を受講しています。
PCITに沿って、1日5分の宿題をやっていますが、子供の様子がずいぶん変わったので、これはすごいなとびっくりしています。
子育て講座などでは「子供に寄り添って」とか「みまもって」とか言われますが、何だかぼやっとしていて具体的に何をするのかよく分かりません。
でもこのPCITのプログラムは、はっきりと具体的な内容なのでとても分かり易く、実践しやい方法です。
思いがけず子供と一緒に家にいる時間が長くなりましたが、その間に子供との信頼関係を強くできたらよくないですか?
PCITの内容を共有したいと思います。
ちなみに、私は大学の研究所で実施されているPCITを受けていて、料金は3,000円です。
PCITって何?
親子の愛着や信頼関係を強化するためのプログラムです。
1970年代にアメリカで考案されて現在は全世界に取り入れられている、行動科学に基づいた心理療法です。
関係が強化されると、子供の問題行動(と大人が思っている行動)も緩和されるそうです。
問題行動と言うと大袈裟ですが、例えば、ダラダラしてなかなか出掛ける用意をしない、片付けをしない、落ち着かないなど育児中によくある場面も当てはまります。
また、発達障害と言われる子供の行動も含まれます。
PCITの対象者
対象者は、このように定義されています。
PCITの対象は、こころや行動の問題を有する幼い子ども(最適年齢は2.5~7歳)と育児に悩む親(養育者)です。養育者には実親だけでなく、里親や祖父母なども含まれます。
★こころや行動の問題を有する幼い子ども
子どもの一般的な問題行動
発達障害(ASD、AD/HD等)や知的障害に伴う問題行動
分離不安障害、不安障害
虐待被害やDV目撃によるトラウマ体験に基づく精神症状・問題行動など
★育児に悩む親(養育者)
子育ての経験に乏しい親
子どもの頃虐待やマルトリートメントを受けて育った親
自身の発達障害のある親
虐待やマルトリートメントのリスクのある親
DV被害者
うつ病・うつ状態のある親引用元:PCIT Japan
我が家は夫がうつ病である事で対象となります。
でも、どれにも当てはまらないから対象外というわけでも無さそうです。
育児をする中で子供の言動を直したいとか、イライラする、もっと子供との関係を良くしたい、全然言うことを聞いてくれないなど、育児で気になることがあれば相談してみてもいいのかなと思います。
最終的にPCITを受講する対象者かどうかは、面談で先生が決めます。
PCITの流れ
PCITのプログラムは、大きく2つに分かれています。
1つ目の段階はCDIという子供主導で進めるプログラムで、親子の信頼関係を強化します。
2つ目の段階はPDIという親主導で進めるプログラムです。 CDIで信頼関係をしっかり作れたことで、子供は親が指示する言葉も素直に受け入れてくれるようになるそうです。
私は、まだ第一段階のCDIを受講中なので、CDIについてお伝えします。
子供主導のCDIスキル
子供が主導になって遊び進めます。親は、肯定的な声かけをしながら一緒に遊びます。
子供が自分は認められていると感じて、親子の信頼関係を強化することができるそうです。
声掛けにはポイントがあって、このポイントに沿った声かけをひたすらします。
・具体的な賞賛:良いと思ったことをそのまま確実に子供に伝える
(例)「いろんな色のクレヨンを使って、素敵な象を描いたんだね」など
・繰り返し:子供が話したことを反復したり、正しい言葉で言い換えて繰り返す
(例)子供が「青が好き」と言ったら「〇〇ちゃんは青色が好きなんだね」
・行動の説明:子供がしている行動をそのまま言葉にする(実況中継みたいです)
(例)「ウサギのぬいぐるみに帽子をかぶせてあげてるね」
・真似る:子供がしていることと同じことをします。
・楽しむ:親が楽しいということを子供に伝える
逆に、避けるスキルとされている事もあります。
・命令:親が、子供に何かをするように伝える事。子供主導の遊びではなくなる声かけ。
(例)「次は青いブロックをつなげてみたら?」
・質問:子供に答えを求める事。子供主導の会話ではなくなる声かけ。
(例)「赤色でお鼻を描いてるの?」「これは何?」
・批判と皮肉:悪い行動を注意するなど
(例)「そのやり方、ママは好きじゃないな」「やめなさい」
もし、遊んでいる最中におもちゃを投げたりと、親が困る言動をした時は無視をします。
無視というのは、子供を無視するわけではなくてその言動がなかったことのように振る舞います。
例えば、おもちゃを投げ始めたら背を向けて、気付いていないふりをします。
もしおもちゃを壊したり危険な行動を始めた時は、中止します。
PCITでは具体的にどんな事をするの?
実際にどんな事をしているのかご紹介します。
所要時間は1時間です。
先生から、最近の様子についてヒアリング:10分
何か子供にとって大きな変化があったとか、家庭での様子などを先生に伝えます。
子供の背景を知る事で、子供の様子を先生が見る時に役立つそうです。
子供と親2人で遊ぶ:30分
子供と私で個室に二人きりになって遊びます。
先生は、遊んでいる様子をマジックミラー越しに観察します。
私は先生の指示が聞こえるようにトランシーバーを付けて子供と遊びます。
まず、始めの5分間は先生からの指示は何もない状態で子供と遊びます。
5分後、私の強化すべき項目を先生が判断して、「この声かけを意識してやってみてください」と言われます。
引き続き子供と遊びながら、私が発する言葉がどの項目に当てはまるか先生から都度トランシーバー越しに伝えられます。
例えば、
私:ポテトヘッドにお鼻をつけてあげたんだね
先生:行動の説明です。
私:ブロックを綺麗に積み上げてるね。
先生:具体的な賞賛です。
こんな感じです。
先生から結果の説明 15分
最後に、最初の5分間の私の声掛けについてのスコアシートをもらいます。
それぞれ、「具体的な賞賛」「繰り返し」「行動の説明」「命令」「質問」「批判と皮肉」が何回出てきたかが書かれてあります。
数字で出されると、私ができている部分や強化する部分がはっきり分かりました。
家でする事
宿題も出ます。
宿題というのが、毎日5分間スペシャルタイムを設けることです。
CDIのプログラムに沿って、子供と二人きりで遊ぶことです。
CDIのプログラムと言うと難しそうですが、子供がやりたい遊びを子供主導で進めます。
声掛けのポイントを意識しながら子供に声かけをし、あとは楽しむだけ!
その時、他に邪魔が入らない環境ですることが大切です。
もし下の子がいれば、下の子が寝ていたりする時です。
毎日できればいいですが、できない日があってもいいそうです。
親子のストレスにならないように、楽しむのが大切みたいですよ。
子供の変化
先生に観察してもらっている時も感じましたが、家で実践している時もすぐに子供に変化がありました。
普段の生活でも、すぐに行動してくれたりとスムーズに進められることが増えました。
遊んでいる時の変化
・表情がイキイキする
・私との距離が近くなる
・一つの遊びに集中する
・盛り上がる
普段の変化
・「手を洗ってこよう」や「着替えよう」など、声をかけるとすぐに行動してくれる時が増えた
・私の話をきちんと聞こうとしてくれるようになった
まとめ
長々と書きましたが、まとめると1日5分でいいのでスペシャルタイムを作って、下記に気をつけながら声かけをするだけです。
・言動を具体的に褒める
・子供の言う言葉を繰り返す
・子供がやっている行動を言葉にする
・楽しむ
・子供と同じ遊びをする
・質問しない
・注意しない
もちろん、スペシャルタイム以外でこれを実践していると生活にならないので、スペシャルタイムの時だけこのルールに従って遊びます。
そのほか、関連記事はこちらです。
PCITを実施している機関
全部ではないですが、実施しているところをこちらの記事でご紹介しています。
WHOから世界の保護者たちへ
PCITとは関係ありませんが、よく似たことが書かれています。
年齢が小学生以上の子についても書かれてあるので、ご参考にどうぞ。
covid-19-act.jp